「ほぉ、恋愛が進展でもしたのか…?」
「それは……そんなこともないんですが。」
都合の悪い展開に、私は口ごもる。
「相変わらず計画性皆無だな。」
部長の冷徹なダメ出しが飛んでくる。
「佐野の、やる気と積極性は昔から認めるが、
君は企画に対する計画性は、イマイチだ。
どうせ飲み会でも同期の恋愛ネタでも参考にしようと思ったんじゃないか?」
痛い所を突かれる。
「図星です…申し訳ありません。
ただ、分からないんです。
どうやって恋愛自体が始まっていたのか。」
「それは重症だな。」
2人で電車に揺られ、
そんなやりとりが始まる。

