扉の前で、部長が振り返る。

「グッときた…とでも言っておこう。

………それと、」

部長の手が、私の顔を掠め、
うなじへ伸びる。


普段とは明らかに違う距離感に
心臓が跳ねた。



「後れ毛……が、特に。」

無表情でそう言うと、部長は帰っていった。



え…結局、、、


「どういうこと…?」


再びそう思った時には、
扉はもう閉まっていた。