「さ〜のっ!何やってんの?」
「うわ、びっくりした。なんだ 橘か。」
「なんだって酷くね?」
そう言いつつも笑う彼は、
同期の 橘 大輔(たちばな だいすけ)。
営業部に所属している彼とは
部署が違うものの、同期の飲み会では、
よく話す間柄。
「これからのことも考えて、
過去の『Venus』読んでたの。」
「あ〜、チーフだもんな。おめでと!」
「ありがと。橘は、外回り?」
「おう。『Venus』相変わらず好調だな。
営業部でも毎月、話題になってたよ。」
こう言われると、やっぱり嬉しい。
何気ない一言が、私の原動力になる。
しかし、お礼を言おうと口を開きかけた時、
橘が、驚きの一言を続けた。

