「覚えてない訳ではないんだ?」
不安そうに彼が布団を覗き込む。
完全に覚えている。少し酔った勢いで積極的になってしまったが、本当はあれほどまで彼を求め、彼に求められたかった自分がいると否定できない。
「急に積極的になって引いちゃいました…?」
おずおずと要さんに尋ねる。
彼は驚きで目を見開いた後、優しく囁いた。
「いや、むしろ大歓迎。」
甘い台詞に、朝から胸が締め付けられる。
この人は、私をどこまで溺れさせるのだろう。
彼の優しさに触れて、ほっと安心した私は、
高鳴る鼓動を感じながら、目を閉じる。
そこへゆっくりと彼の唇が近づいてきた。
……朝陽に照らされたベッドルームで、
私達は甘い口付けを交わす。
2人の日々は、まだ始まったばかり。
〜 fin 〜

