*朱里 side
*
……なんだか、ふわふわする。
すぐ側に誰かの温もりを感じて、いつもの日常との違いに目を覚ます。
パチっと目を開けると、そこには部長の姿があった。
しかも彼の目は既にこちらに向けられていて、予想外の至近距離に驚く。
「おはよう、朱里。」
甘い微笑みと共にそう言われ、頭が追いつかない。
「おはようございます、、、部長……?」
私の挨拶に、彼は少し眉間に皺を寄せた。
「昨日は、あれほど "要さん" と呼んでくれたのに。」
不敵な笑みで話され、回らない頭で昨夜の記憶を手繰り寄せる。
……えっと…。
「要さん、大好きです。」
「……んっ。要さん、もっと。」
そうだ。少し酔ってしまった自分が彼に大胆に迫ってしまった事を思い出す。
その恥ずかしさで、一糸纏わぬ自身は、布団に潜り込んでしまった。

