確かに、朱里は愛情表現が少ない。
彼女から恋愛的な何かを求められたことは無いし、かなり恥ずかしがり屋でもある。
ただそれは、上司と部下という普段の関係も影響している訳で。
そういった理性的な部分も、彼女の長所だと受け入れていたし、何より花火の際 彼女から告白をしてくれただけで、自分は十分だった。
だからこそ、そんなに彼女が想っていてくれたのだと言う事実に、愛しさが溢れる。
「その言葉を聞けただけで十分。僕も朱里が好きだから、幸せだと思ってる。」
素直にそう返すと、朱里は少し不服そうに頰を膨らませた。
「もう、そういう事言っちゃうから、、、
また、私が好きになっちゃうんです。」
一体何なんだ、この可愛さは。
おそらくワインで少し酔っているのだろうが、いつもの彼女とは違う艶やかな印象に、動揺が隠せない。
「何か、ちゃんとお返ししたいんですっ…。」
可愛さに圧倒され黙る自身に、朱里はさらに迫るように見つめ返す。

