「今度、私の手料理も食べてもらえたら嬉しいです。練習、しておくので。」
恥じらいながらも私がそう続けると、「それは楽しみだな」と彼は笑った。
こういう何気ないやり取りですら、愛しくて、時々胸が熱くなる。
……要さんといると、自分ばっかり彼を好きになってしまう気がして、駄目だ。
私ばっかり大事にされて、それを返せていないような気がして少し不安になる。
彼が好きだという気持ちの上に不安感が覆い被さる。
「……もう少し飲むか?」
パスタに合うだろうと、要さんが用意してくれていたワインを勧められる。
「じゃあ、、、いただきます」
彼への好意に重なった曇った感情をどうにかしたくて、私はその不安を搔き消すように、ワイングラスに口をつけた。

