やがて、 水瀬部長の線香花火が、 雫のように地面に落ちた。 お互いを照らしていた灯火は、もうどこにもない。目の前にいる彼を照らすのは、夜空の月明りと、少し離れた電灯の微かな光のみだ。 夏の夜風が2人の間を吹き抜ける。 私は、その空気を胸一杯に吸い込んだ。 「……部長、お願いがあるんです。」 突然話を切り出した私自身、手の震えは治ることを知らず、燃え尽きた線香花火を握り直す。 「部長との、"仮"恋人の関係を、 もう……終わらせて頂きたいんです。」