「ゴホン、私はこれから会議があるから行かなくてはならないのでね。まあ、若者同士積もる話もあるだろう。ゆっくりお話でもしていったらどうだい?」

ん?これ逃げられるのでは!?
このまま行かすと私はお父さんの思うツボ!!行かせてたまるかっ!

「お父さん!!逃げないでよ!まだ話がーー」

「 じゃあな、奈緒。気をつけて家に帰るんだぞ!あっそうだ、聡良君に送ってもらったらいいじゃないか!聡良君、お願いするよ」

「はい、任せて下さい」


バタン


「.....」


逃げやがったああ



なんでこんな面倒くさい事引き受けなきゃいけないのよ...はぁ...

あと...


チラッ


「ん?」

聡良君だっけ、このイケメン婚約者と二人っきりになったけど何を話せばいいんだ?

今日は良い天気ですねとか言えばいいのかな...って見合いじゃないんだからさ!!

こういう時コミュ障って辛いな

「ハハッ」

え、今笑った?この人笑ったよねなんで??

こ...壊れた?

「壊れてはいないよ」

「そうなんだ!なら良かった...ってなんで私が考えていた事わかったの!?」

「顔にそう書いてあったからだよ」

「へ...顔?」

私は確認する為ポケットの中に入ってた鏡を取り出してみた

なんだなんにも書いてないじゃない

「ハハッ本当に面白いね、奈緒ちゃんはまさか鏡で確認するとは思わなかったよ!」

「あ、いや、その」

私、今普通に恥ずかしい事しちゃってた!!そんな鏡で確認する事じゃないのにっ

「んーここでお話してもつまらないと思うし、初デートでもしますか!」

「えっ!初デート!?」

「奈緒ちゃん...」

聡良君は私の手を取り微笑んだ
整った顔をさっきよりも近く見ているせいか少しドキドキする

「行こうか!」

「え、あ、ちょっと!!」



私の婚約者はイケメンで清楚で品がありそうな人だけど意外とアクティブな人でした


こういうタイプって面倒くさいと思うんだよね、だって私インドア派だから