《短編》翔ちゃんチョコだよちゃんと貰って?


「ねぇ、なっちゃんがいなくなったらすごく孤独なんだけど、一緒にいてくれない? お願い!」


「やだよ、美緒にそんな義理はない」


「うわぁ、バッサリ!」


なっちゃん安定のつめたさ。


「私、小松待たせてるから」


「小松って! 彼氏のこと名字で呼び捨てってあたらしいよね?」


「ほっといてよ気にいってんだから。じゃね、頑張れ宮辺のカノジョ!」


「くそー! なんかわかんないけど悔しい!」


なっちゃんが行ってしまったから私は口のなかで「みやべ」って呟いてみた。


『宮辺、チョコあげる!』


『宮辺、ちゃんとぜんぶ食べてね』


『宮辺? すきだよ』


妄想してみた。なんてゆーか。悪くない。


ポケットからリップを出してぬってみる。前髪も、なんとなく整えてみた。
そんなことしたって何も変わらないけど落ち着かなくて。