《短編》翔ちゃんチョコだよちゃんと貰って?

「でさー。宮辺って呼んだのあれなに?」


「あぁ、あれはね、うーん。なんでだっけ」


のぼせて頭がうまく回らない。


「もうこの際呼び捨てにすればいーじゃん」


「えっ、名字で?」


「バカ、普通下の名前だろ!」


そう言われて、妄想が炸裂する。


…………ちっとも呼べる気がしない!


「今練習する?」


「いやっ、急にはハードル高いっていうか、なんていうか……」


「急どころか遅すぎるくらいじゃね?」


……呼んでみたい気もする。
でも翔ちゃん呼びがあまりに長すぎて抵抗がある。


そういえば、翔ちゃんのことを呼び捨てにする子って学校にはいないから、そんなことしたらさっきみたいにみんなの注目を浴びちゃうな。


でも、呼べたら……あの子宮辺君のカノジョなんだって、きっとみんなに認めてもらえるのかも。


こういうのを一つずつクリアしていって、やっと手に入るのが、カノジョの貫禄ってやつなんだろうなぁ。