「お邪魔します!」と元気に入ってきた陽夏ちゃんと杏ちゃん。それと京平と涼介。
またお決まりのメンバーでご飯会になった。

「あ、一応軽めにと思って野菜はあるんやけど、他に何も手つけてなくて」
「大丈夫です!あとは私がやります。それより王子はミルクの時間ですか?」

あたしの腕の中でわんわん泣く千秋を見て察してくれるのは、さすが陽夏ちゃん。

「そう、だからちょっと手伝われへんけど、任せていい?」

大丈夫ですよ、と言うてくれたから、京平と涼介に「ちょっとゴメン」と一言言うて寝室に移動した。

廊下に出たとき、杏ちゃんが付いてきてて京平が声を掛けたけど、「いいよ」と言うて一緒に入ってきた。

「ちあき、なんでないてるの?」
「お腹減ってるんやと思う」
「おっぱい、あげるの?」
「そうやで」
「……みててもいい?」

あたしが服を半分脱ぎだすから悪いと思ったんか、少し戸惑ったように声を掛けてきた。

初めて見ることやから興味があるんやろう。
「いいよ」と言うと、床に座ってるあたしの目の前に座って、千秋の姿をじっと見つめてた。

「杏ちゃんも、千秋みたいにママのおっぱい飲んでたんやで?」
「あんずも?」
「うん」
「あんずも、こんなにちいさかった?」
「小さかったよ。今も可愛いけど、千秋みたいに小さいときも可愛かったよ」

そう言うと恥ずかしがるように笑う。
笑顔が京平にそっくりだ。

コンコンとノックする音が聞こえて返事をする前にドアが開くと高成が入ってきた。

「サラが小皿どこにあるかって聞いてる」

そう言いながら入ってきた高成はまだ飲み続けてる千秋の頭を撫でた。

「お前のせいで俺は放置状態だぞ」

そう言いながらも頭を優しく撫でる高成の顔は優しい。
パパの顔やな、って思う。

「杏もこんなんだったな、そう言えば」

ちょっと前までは千秋みたいだったぞ?と言うと、「りょうちゃんに聞いた」と目も見ずに答えた。
高成は眉間にシワを寄せてたけど、「こういう素振りがキョウとそっくりだ」と苦笑した。

「ねぇ、ナリくんもちあきみたいにりょうちゃんのおっぱい飲んだ?」

あたし達は同時に「は?」と思わず言って、爆笑してしまう。
びっくりした千秋が思わず離れて泣いてしまうくらい。

子供は純粋だから大人の考えつかないことまで浮かんでしまう。
この質問も高成が傍におるから浮かんだだけで、単純に聞いてみただけのこと。

高成は思わぬツボに入ったらしく、まだ笑ってて、怪訝に思ったらしく不機嫌になる杏ちゃんを自分の膝の上に乗せて、千秋が見えるように座らせた。

「俺はしたことない。興味はあるけどな。でも杏のパパとママはしてるかもよ?」

高成!と言うたところで、杏ちゃんの耳に入れば既に遅し。