「ていうか、これ全員にしつけたの誰?」
なっちゃんが今更不思議そうに聞く。
子供は昔からやから全員首を傾げたけど、高成が手を挙げて「涼に決まってんじゃん」と言う。
「ナリなんじゃないの?で、ちーくんがハグやらキスやらするから薺が凪と和にし始めたんだよ」
「あたしって面白いものに影響されやすいからさー」
ケラケラ笑うなっちゃん。
別にしつけたつもりはないけど、あたしの記憶が正しければ、千秋がみんなに挨拶するのを見た杏ちゃんが真似して凪くんが真似するからなーくんもして、同期の3人組がそれを見習ったって感じやけど、それでもこんなに大きくなってもハグしてくれる子供なんか今おらんやろうから嬉しいことではある。
「でもなんでかなー?涼ちゃんと涼介だけは別格なんだよねぇ…あたしも子供可愛がってるんだけど」
おかしくない?と悟さんに同意を求めるなっちゃんにあたしは一応遠くで首を傾げて、まだ隣におる凪くんに作ってるサラダに乗せるゆで卵を口の中に入れてあげたり、それを見てた櫻や紗生が口を開けたからあげたりしてキッチンで盛り上がる。
自分の子供は千秋と紗生だけやけどみんなが自分の子供みたいで可愛い。
懐かれてるとか一番好かれてるとかそういうのはどうでもよくて、誰が一番可愛いとかそういうのも無しにして全員が可愛い。
本当にあたしが恵まれてるって心から思う。
そして、千秋にアメリカンスタイルでしつけててよかったなとも今になっては思えたりする。
「父さん、アレ教えてよ」
「アレってなに?」
「そーだよ!祐介さんも一緒に来てよ」
「あ?俺ヤダよ。京平いるだろ」
「じゃあ、京平パパ来てよ」
「じゃあってなんだよ」
千秋と凪くんは自分のギターを取り出して、アノ曲のここが弾けないとかここはどうするんだとか色々聞いていた。
「涼介くん、隣いーい?」
「おー、座れ、座れ」
紗生が涼介の隣に座っていつものように話すのを見てると杏ちゃんとなーくんの幼なじみコンビが傍に寄ってきた。
「ねぇ、涼ちゃん。千秋ってば鈍感なの?それともあたし完全にダメなの?」
Xmasだっていうのに完全に落ち込んでる杏ちゃんとそれをフォローするように傍にいるなーくん。
どうやってもこのコンビは切れないらしい。
その傍に櫻もいて少し気にしてる様子が見える。
「千秋がひどいこと言うた?」
「ううん、ケーキは食べてくれたけど、最初から最後まで凪と話してて隣にも座れなかった」
状況が想像出来るだけになんのフォローも出来なくて「ごめんな?」と謝るしかできん。
親としてどう言えばいいんかもさっぱりわからん。
とりあえず言えるのは千秋にその気がないって事だけ。
それを口にするのはさすがに可哀想やから言わんけど。



