夢物語【完】


「あんたはほんと昔から涼ちゃん好きだね。熟女好きでもいいけど人妻に手ぇ出すのはやめなさいよー」

なっちゃんはアドバイス?をしてるんやろうけど、凪くんはほんまにそんな気がしてならん。
大丈夫だよ〜と言いながらあたしの腰に手を添えてキッチンまで促してくれる。

そんな凪くんに笑えたけど、人の成長っておもしろすぎるなって思う反面、千秋は絶対せんやろなって思えてさらに面白い。
この悟さんの生き写しは確実にモテ男でナチュラルにレディーファーストとかしちゃうんだろう。
変な方向にいかなければいいけどな...と変な心配をしてしまう。

「あー、凪くんママにくっついてる。ほんとママ好きだよねー」

いつの間に帰ってきたのやら、冷静に言い放つ我が娘。

「凪は昔から涼ちゃんが好きなんだよねー。ほんと涼介といい凪といいナリは大変だね」
「いいのよ、高成は。でもほんと人気者だもんね。見てアレ、涼ちゃんの周りに全員いるんだよ、すごくない?」

悟さんとなっちゃんのそんな声が聞こえて左右を見るとあたしを見た子供達が集まっててウケた。

「ママ人気者だねー」
「だって涼ちゃん優しいもん」

紗生と凪くんがそう言ってくれるけど、たぶん食べ物の準備してるからやと思う。
みんなの方を体ごと振り向くと凪くんがハグをしたからか紗生を先頭に櫻、慧ちゃん、なーくん、杏ちゃん、嫌々ながらも千秋がハグをしてくれた。

我が子でもなかなか出来ないから千秋のときは少しだけ力強く少しだけ長くハグした。
身長はあっという間に抜かされて、どこからの遺伝なのか気付けば自ら進んで勉強しちゃう待望だった長男。
いつかは離れていくんだろうと思っていたけど、まだこうしてハグしてくれることが嬉しい。
いつまで経っても子供は子供で可愛すぎる。

子供達は櫻に続いて中塚さんからみんなにハグの挨拶をして回った。

「なんか数年前に戻ったみたいだね」

悟さんが紗生にハグされてる時に言った。
なんか海外ドラマのワンシーンみたいな光景にみんなで笑った。

さすがに男の子がパパ達にハグするのは嫌がるかと思ってたけど、ほんまに海外の挨拶みたいに頬を合わせるような仕草をして頭をポンポンってされて次の親に…っていう感じでテーブルの周りを7人の子供が回ってた。

ちなみに涼介だけはちょっと違ってて、女性陣は涼介だけパパグループに入れへんからか昔から頬にキスする習慣がある。
今日は久しぶりにされて、「おいおい、これはもうダメだろ」と父親勢からからかわれてた。