重たい口をようやくひらく……


「理人さん…怒らないで、聞いてね?」


 理人さんは、分かったよというように少し真剣な面持ちになり、あのどこか怖い雰囲気はなくなった。


 理人さん本人が怖い雰囲気を出していることを自覚していたのだと思うと、わたしの知る理人さんは理人さんの中の一部に過ぎなくわたしの知らない理人さんの性格というものがあるのだと知る。




「この写真の場所は、理人さんのわかる通り屋上だよ」



「へえ、素直だね」



「いつも素直だよ」



「ふふっ。隠すのかと思ってね、琴音ちゃんは」



 少し、ドキリ……とした。



 今のは、本当のこと。



 理人さんが言うようにわたしは隠す……二人の秘密を




 理人さんとわたしの秘密のように……


 どうか、見破られませんように……