「もちろん」



 待ってましたと言わんばかりに久我君が快く頷いた。



 これでわたしは、少しでもあの人に迷惑が掛からなくなるのだろうか。



 久我君に迷惑が掛かってしまうかもしれないけど、いつまでもあの人に甘えているだけではだめなんだ。



 だから久我君のこの厚意はものすごくありがたい。



「じゃあ、オレが次にここに来るときの放課後から秘密のレッスンの開始だな」



「久我君、その、秘密のレッスンって言い方……」


「間違ってはないだろ?」



 そうだけど……


 なんか、少し背徳感を感じてしまう。ユリの温室から始まるバラの下の関係か。




 その後、少しして用事を思い出した久我君は温室を立ち去った。