クリアになった視界に久我くんが大きく写し出される。





レンズ越しにではなく、直接特定の誰か以外を見たのはいつぶりなのだろうか?


改めてみると、羨ましく思うようなニキビもニキビ跡もないキレイな肌。

整った鼻筋。

長いまつげが影を作る。



どこをとっても、非の打ち所がなく思わずため息が出てしまう。

ファンクラブもあるこの人はどこか異次元の世界から出てきたようだ。



わたしは観察に集中してその距離間を忘れてしまっていた。