「えっ…!?なんで?いつの間に……」




 ベンチの上には安心しきったようないつもよりも幼さの残る顔で無防備に寝ている久我君の姿があった。


 わたしは久我君を起こさないようにゆっくりと近寄った。


 昨日のように失敗しないようにひっそりと歩く。


 今回は昨日と違ってうまく歩けた、気がする。



 久我君の様子をうかがうとまだ寝ているようでわたしは胸をなでおろした。近づいたことによって彼の寝息が聞こえた。


 熟睡だ。




 わたしの中にある好奇心がもっと観察を望んでいたかのようにわたしはさらに近づ、邪魔な分厚い伊達眼鏡をはずした。