「ある人の名前は絶対に教えません!」



「……まぁ、いいや。鈴原サン毎日放課後ここ開けといてよ」



「なんで、ですか?」



わたしの安らぎの場所を取られたくない。


ここだけは、落ち着けるわたしの大切な場所だから。


冗談で言ってるのかと思ったが、久我くんの目は真剣そのものだった。



「なんで、か。この場所が気に入ったからだけど?」



気に入った……


その言葉が、単純にうれしい。



この場所の良さが分かってもらえたからかな?