「わたしに聞く前に久我くんの来た理由は?」



わたしがなぜいるのかを答えると、必然的に鍵のことに行き着いてしまう。



鍵のことに触れられないようにわたしから久我くんのことに話をすり替える。



きっと、わたしは可愛くない対応だろう。


でも、このわたしの聞き返しは久我くんの中では想定外のことだったのか両者の間には沈黙だけが静かに流れる。



私と彼の間には一生かかってもコミュニケーションというものが成り立たないと思う。




「……へぇ。俺に聞き返してくるんだ?ぼっちメガネの鈴原 琴音さんは」



げっ!?



地雷踏んだ!?



逆鱗に触れた!?