わたしは久我君がナルコユリに魅了されたのと同様に彼に魅了された。 もっと、近くで教室とは違う彼の姿を見たいという気持ちがぐっと押し寄せる。 もう少し前に出ようと、思い背を丸めて忍び足で1歩前へ出る。 グキっ……!! 「イタっ!」 ドジなことにわたしは忍び足にも関わらず足をひねってしまった。 反射的に声が出てしまい 久我くんがこちらをゆっくりと振り返るのが見えた。