朝食を食べ終えてキッチンで洗い物をしていると、
仕事へ行く準備が終わった冬馬くんがリビングへと戻ってきた。


「桜、仕事行ってくるけど、今日は明日の仕込みもあるから少し遅くなるよ。また帰るときにLINEするから。
ご飯は先に食べてて。
じゃ、行ってくるから。いい子で待っててな。」


そう言うと、頭をポンポンとしてからおでこにキスを落とした。


恥ずかしくて俯いてても、真っ赤になった顔は隠せていないんだろうな……

玄関へ向かう冬馬くんの後ろに付いて、お見送りをすると、
冬馬くんの長い指が私の横髪を撫でてから耳を軽く擽るように触れる。

「っん……」
ビクンと身体が跳ねて、甘い声が思わず漏れてしまって慌てて口を押さえた。


「っふ、可愛い声……。じゃあいってくるね。」


甘い瞳で微笑まれて、私は真っ赤な顔を隠す暇もなく冬馬くんを見送った。


ガチャんと扉が閉まると、そのままヘナヘナと座り込んでしまった。


「はぁぁぁぁ……冬馬くん、かっこいい。
もう、甘々なのがまたさらにかっこいいよーー……。」


私は一人なのをいいことに
その場で悶えた。