結局、冬馬くんは専門学校が忙しかったのか長い休みにも帰ってこなかった。
冬馬くんの携帯の番号は教えてもらっていたけど、
忙しそうなのにかけるのもはばかられて、
かけることもできず、
たまにおばさんから聞く話だけ。
菫ちゃんは家が近いこともあって、しょっちゅうお互いに行き来しているということも聞いていた。
それを聞いてショックだったけど、
大人になってしまった二人に、まだまだ子どもの私には何も言えないし、
嬉しそうに二人と、一馬くんの話をするおばさんにただただ相づちをうつしかできなかった。
冬馬くんが東京に行ってから初めてのお正月には二人とも帰ってきいた。
それをママから聞いた私は嬉しくて家を飛び出し、お隣のインターフォンを押した。
私が来たと知った冬馬くんが優しい笑顔で迎えてくれてやっぱり大好きだと再認識してしまった。
嬉しさのあまりぎゅーっと抱きつくと、冬馬くんも抱きしめ返してくれて、もっともっと嬉しくなった、
「さくら、ただいま。良い子にしてた?ケーキちゃんと作ってあるから食べよう。」
冬馬くんに手を引かれてリビングに入ると、おじさんとおばさんがいて、私の姿をみていつものように優しく迎えてくれた。
「さくらちゃん、そろそろ来る頃だと思ってたわ。
さ、座って?オレンジジュース入れたよ。」
私が椅子に座ると、おばさんがオレンジジュースとケーキを持ってきてくれた。
私の大好きなイチゴのタルト。
「これ、冬馬くんが作ったの??」
口一杯に頬張って冬馬くんをみやると、クスクス笑って、私のほっぺについたクリームを取ってくれた。
恥ずかしくて顔が真っ赤になると、それを見た冬馬くんが優しい笑顔で頭を撫でてくれた。
