甘いあまいイチゴの香り



結局二人が高校生だった時、付き合っているのかどうか聞くこともできず、
ただただ仲のよい二人を見ていることしか出来なかった。



高校を卒業して、冬馬くんは東京の製菓の専門学校に進み、菫ちゃんは一馬くんと同じ東京の大学の医学部に進んだ。


通うのが大変だからと、冬馬くんは一馬くんと二人暮らしをすることになり、

菫ちゃんは二人のアパートの近くに独り暮らしをすることになった。


羨ましくて、羨ましくて仕方がなかったけど、
これで毎日仲のよい二人の姿を見なくて済むのだと思うとホッとしている自分もいた。



でももう、諦めなくちゃいけない。


二人の姿をみても、嫌いになることなんて出来なかった


いつもいつも二人は私に優しくしてくれたから。



それでも、冬馬くんが引っ越しをしてしまう日、私は泣いてないて困らせてしまった。


まだ小学生の私は一人で東京に遊びに行くことも出来ないから中々会えなくなってしまう。


すぐに帰ってこれる距離とはいえ、専門学校は忙しいみたいだからなかなか帰ってもこれないだろう。


そう思うと涙が止まらなくて、

「冬馬くん、頑張ってね!また遊びにきてね!」

泣いてしがみつく私に親たちは困り顔で、
それでもどこか優しさに溢れる顔で、、


「さくら、いいこにしてろよ?長い休みになったら帰ってくるからな。美味しいケーキ作ってあげるから。
な?約束。」

冬馬くんが頭を撫でながら、もう一方の手の小指を差し出した。

私はその小指に自分の小指を絡めて、コクコクと頷くばかり。

「じゃあ、いってくる。菫、いこう。」

冬馬くんはそっと屈んで私のオデコにキスをした。


もう、3年もしてもらっていなかったことに、
胸がドキドキして、ぎゅーーーっと苦しくて、

この時の私は恥ずかしいくらいに真っ赤な顔をしていたと思う。


冬馬くんのおじさんの車に二人が乗り込んで、ゆっくりと車は進んでいく。

私はその車が見えなくなるまで手を振り続けた。