「うわーぉ」

月に三回は来ているのに、ふっくら丸くてキャベツたっぷりのここの豚たまを前にすると、感嘆の声が出てしまう。


青のりは恋する乙女として泣く泣くNGにするけれど、
ソースとマヨはたっぷりと、かつおぶしも遠慮なく。


ヘラを使ったキリ分けは、もちろんピザ型になんてせず、無骨に四角く行かせてもらう。


いざ! という瞬間に。

「あ、おまえオーディションどうだったの?」

悪魔的に鋭い切り込みが入って。


ぶふぉっ、

という乙女にはあり得ない効果音とともにかつおぶしが飛び散った。


「うぉっ! こら、こっちまで飛んできたぞ」

と膝の上のふくふくニャンコをかばうヤス兄。

当のニャンコは嬉しそうにおこぼれをキャッチしているけど。