「純恋の手……あったけぇな」
しっかりと繋がれた手を見て、少し照れくさそうに笑いながらいう君。
「要くんと一緒にいるからだよ」
要くんと一緒にいると体が沸騰したように熱くなって、冬の寒さなんて気にならなくなるんだ。
でも、わたしがそう言うと君はまた口元を手で覆い隠した。
そして、ブツブツと何か言っているけどそれは小さくて上手く聞き取れない。
「要くん?」
「あー、よしっ。ほら、ファミレス行こ」
不思議に思い、名前を呼ぶとあからさまに話題を変えた彼。
絶対、話し逸らされたよね?
まあ……いっか。要くんとあと少し一緒にいれるんだから。
ファミレスまでの道のりを君の隣で歩けることに幸せ感じて、心もほっこりと温かった。