それから、夕方までホールで大学の話をしてもらい、それが終わる頃にはもう五時を過ぎていた。


外は薄暗くてオレンジ色の夕日がだんだんと沈んでいっているのが分かる。



「腹減ったし、飯でも食いに行くか」


「いいの?帰らなくて」



これ以上、要くんを振り回しちゃってもいいのかな?

今日だって、本当は興味の無いものばかりでつまらなかっただろうし。



「だーから、俺は純恋とこうして一緒にいれるだけで楽しいから」



何回言わせる気?とでもいうように少々呆れ気味にそれでも目は優しくて、またわたしの体温が三度ほど上がる。


大学を出て、寒い歩道を二人並んで歩く。
なんだろう……今とっても君に触れたい。


そんな気持ちを抑えきれなくて、気づけば体が勝手に動いて君の大きな手とわたしの小さな手を重ねていた。


突然のことに一度その手を見て、驚くように目を丸くしていた要くんだけど、すぐに嬉しそうに頬を緩ませ、心なしか体が弾ませながら歩いてるような気がする。