「うん…なれるよ、お前なら。
俺がお前のことを全力で支えるから」
その言葉に「ありがとう」と返すと彼はまた優しい笑みをこぼした。
「自分のデザインした洋服をぜひコンテストに出してみませんかー?」
大学内を散策しながら歩いていると、ここの学生らしき人に声を掛けられて一枚の紙を渡された。
それを受け取って見てみると、そこには
“目指せ、デザイナー!
入賞すると、学費無料でこの大学の一員になれるチャンス!”
大きく、赤の文字でそう書かれていた。
わたしはあまりにもその紙をじっと見つめていたらしく、隣から要くんも紙に顔を覗かせる。



