【完】幸せは透明度100%





あれからまた二駅通って、目的地がある駅に着いたらしく、要くんがわたしの手を引いて電車から降りた。



「あとちょっとで着くから」



改札を抜けるとそういって、“俺の手離すなよ”とでもいうように強く握って歩き出す彼にまるで金魚の糞のようについていく。


どこに行くんだろう?
ここらへんに有名な場所とかあったっけ?


さっきから思ってたけど要くんはたまにチラチラとスマホの画面をみて時間を気にしていた。
時間とか決まっているところなのかな?


それから歩くこと五分、目的地に着いたのか急に足を止めた要くん。
わたしはそんなこと知らずに足を動かしていたからドンッ!と要くんの大きな背中にぶつかる。



「あ…ごめん」


「ん?いいよ。
それよりもさ、ほら顔上げてみろよ」



彼に言われるがままに顔を上げると、視界いっぱいに広がる景色を見て、わたしは驚きで言葉を失った。