「……何言っているの?」
怪訝そうに顔をしかめて、ありえないといでも言いたげな様子。
分かってる、無謀なことなんて。
でも、それでもわたしは頑張りたいんだよ。
「弁護士にはならずにデザイナーに…「バカなことを言うのはやめて。冗談を言ってると怒るわよ」
────…デザイナーになりたい。
わたしの精一杯の気持ちのこもったその言葉は簡単に跳ね除けられて、挙句の果てに冗談と決めつけられて
わたしの精一杯の勇気は粉々に砕け散った。
どうして…どうしてわたしに自由はないんだろう。
お兄ちゃんは好きなことをしているのに。
「ほら、あなたも何か言ってあげて」
お母さんがお父さんの肩を叩いて急かす。
お父さんはじっ、とわたしの瞳を見つめる。
何も言わないで……これ以上傷つきたくない。
思わず、耳を塞ぎたくなる衝動を必死に我慢して抑える。



