【完】幸せは透明度100%





はい、と水色の封筒を渡される。
正直なことを言うと中身も見ないで今すぐにでもビリビリに破ってゴミ箱に捨てたい。


でも、そんなことしたら見放されてしまう。
いやもう夢の話をした時点で見放されてしまうよね。


それでも……わたしはなりたいんだよ。
生まれて初めてそんな気持ちになれたんだ。


それはわたしの中で大きな成長だと思う。
全部、全部、要くんがいたから。


一度、目をつぶって…大丈夫…と自分を励ますように心の中で唱えてから糊付けされている封筒をビリリッと音を立てながら破り、中身を取り出す。


目の前には両親、特に期待もしていないような顔をしている。
そして、隣にはお兄ちゃんが心配そうにわたしを見つめている。



恐る恐る紙を見ると、第一志望の大学はC判定で第二志望はB判定だった。


こんなこと予想はできていた。
わたしの学力で弁護士なんて賢い職業はレベルが高いんだよ。


国内でも弁護士になるのはとっても難しいことなんだから。


司法学部…つまりは弁護士になるためにはそれはもう死ぬほど勉強しなければなれない。