【完】幸せは透明度100%




きっと一生、囚われの身。


この窮屈な世界から救いの手を差し伸べてくれるようなそんな人はわたしにはいない。


いいんだ。


もう、こんなつまらない生活を一生死ぬまで続けていくんだ。


高校を卒業して、親に決められた道を歩いて、大学に入り弁護士になって、程々の年になれば政略結婚させられて終わりを迎える。



わたしの人生は人に決められて終わる。


自分の意思なんてどこにもない。
弁護士だってなりたいからなるんじゃない。


親に勝手に決められたこと。


別に将来、何になりたいわけでもなかったからその道を選ぼうと思ってる。

というより、逆らえないわたしには親が決めた将来の線路から外れないようにしなきゃいけないんだ。


それがわたしの運命だと思うから。



「こんなところで何やってんの。もうすぐ、授業始まるけど?」



なに……?
空を見上げていると、突然後ろから聞き覚えのない声が聞こえてきた。


次の時間は適当に理由を言ってサボろうと思っていたのに人が来るなんて最悪。