【純恋side】
「ただいま…」
さっきまでは要くんとキラキラした世界にいたのに、“ココ”に帰ってくると一気に現実に引き戻されて気が重くなり、深いため息が零れそうになるのをゴクンと飲み込む。
「あら、おかえりなさい。
ご飯できてるわよ、あと模試の結果も届いてたから」
「あ…うん」
そういえば、先月受けた模試の結果が届く頃だった。
ここ最近要くんと出会って色々とあったからすっかり頭から抜け落ちてた。
最悪だ……。
もうすぐ、こっぴどく怒られて、一時間近くお説教をされる上にお兄ちゃんと比べられる時間がくる。
そう思うだけで喉の奥に何かがグッと詰まる感覚になって、ご飯も喉を通りそうにない。
わたしは、どんなに頑張って勉強してもお兄ちゃんには勝てないのだから。
頭の要領がまるで違うんだよ。