「…無理だよ。わたしにはもう…」



この性格が世界が染み付いてしまって
今更、変えることなんてできないよ。


人のことを羨ましがることしかできないような人間なんだよ、わたしは。



「お前はもっと自分に自信持てよ。

お前はすげぇいいやつ。俺が保証するから」



そんな要くんの力強い言葉はわたしの中で何かがグッと押し寄せてくるような、そんな感覚に不思議とさせるんだ。




「わたしなんか…」



「もう自分で自分の価値を下げるな。」



抱きしめ合っていた体がとたんに離れ、わたしはさっきとはまるで違う、いつもの優しさで溢れた瞳と目が合った。



「…え?」



「強くなりたいなら、変わりたいなら自分を信じろ」



グッ、とわたしの肩を掴み、わたしの真っ白な世界に足を踏み入れ必死に色づけてくれてくれている要くん。


劣等感や寂しさ…色んなもので汚されたわたしの世界に…君が優しい色で塗り替えてくれている。