【完】幸せは透明度100%




だから、今もこんな窮屈な生活を続けている。

ほんとはわたしは優等生なんかじゃない。

家では勉強してるフリをして内緒で買った漫画を一人、部屋でこっそり見たり、授業だって聞いてるように見せかけて聞いてなかったり寝てたりする。


誰もわたしに興味なんかないから、わたしが優等生のフリをしているなんて気づかないけどね。


漫画の世界に行ってみたい。

あんなキラキラして輝いている世界に。
全てが眩しくて、青春と呼べるような日々を漫画の中の彼らは過ごしている。

憧れる。
わたしだって、あんなふうにスクールライフを送りたかったのに。



高校受験に失敗してからもうすぐ三年。


高校受験に落ちたことによってわたしの生活はよりいっそう勉強で埋め尽くされた気がする。


インフルエンザで本調子が出ず、その結果が不合格だ。


別にショックでも何でもなかった。
ただ、怖かった。
これでわたしは見放されるんじゃないかって…


でも、幸い勉強という縛りが強くなっただけで見放されはしなかった。


言えば、わたしは親に飼われている子羊みたいなものだ。