教室中に響き渡るその大きな音にわたしは微かに肩を震わせていた。
前言撤回だ。
怖くないと言ったけど本当は怖くて仕方ない。
だけど、本当の気持ちなんて言えない。
言ったところで通らないことも言える立場でもないことだって痛いぐらいに分かっているから。
「見下してなんか……」
「あ?なんか文句でも?
そういや、お前要と最近仲良いよな」
自分を奮い立たせて言ったわたしの小さな反論も彼の声によってかき消されてなかったものとされた。
突然要くんの名前が出てきて、胸がドキンッと跳ねる。
でも、それを彼らに悟られないように真顔を保つ。
「まあ、あんたなんて相手にされないから安心して」
一人の女の子がそう言った。
そんなこと十分わかってるよ。
もし、要くんがわたしを友達だと思ってなくても今のわたしは彼がいないとまた逆戻りしてしまうから……相手になんてされてなくてもいいの。
そばにいてくれるだけで、それでいいから。



