【完】幸せは透明度100%





「フハッ、その調子。

てか、次移動教室だろ?
早く行かなきゃなんねぇんじゃね?」



腕に時計なんてつけていないのに、まるでつけているかのように時計を見るフリをして腕を見た。



その行動が可笑しく思えてきて、フフッと小さな笑みがこぼれる。



「そうだね。じゃあ、そろそろ行こっか」



「おう。今日は純恋の笑顔が見れたからこれからの授業頑張れるわ~」



なんて、呑気なことを言いながらズボンを叩いてアスファルトの細かい砂を振り払いながらゆっくりと立ち上がる。



「じゃあ、寝ちゃダメだよ」


「それはキツいな」



ハハッ、と短く笑いながらわたしの前にスッと手を差し伸べる要くん。