「そうだね。
でも、そんなのうちの親が許してくれないよ」
学力だって、多分足りているからあとは技術をこれから身につければいいだけ。
でも、最大の壁があることをわたしは忘れてはいなかった。それは両親の反対だ。
うちの家系はエリートばかりだから『デザイナーになりたい』なんて言ったら今度こそ見放される。
許してくれるはずがない…だから叶わないんだよ。
「…なんで?親って子供の夢とか応援するもんじゃねぇの?」
疑問に思った要くんが首を傾げて聞いてくるから、わたしは重い口をそっと開いて言葉を一つ一つ紡いでいく。
「この少しだけ言ったでしょ?
わたしは親に飼われてる子羊なの。
だから、自由はない。
わたしには黙って従うことしか出来ないの」



