「嫌?」



そうわたしに尋ねながら、ポケットに手を突っ込んでさりげなくわたしの隣に座る。



「……笑わないの?」



どうして、君は笑わないの?


バカにしないの?
わたしには似合わないような夢なんだよ?



「…なんで笑わなきゃなんないの?」



わたしの問いかけに真剣な顔つきでわたしが持っていたスケッチブックをスッと抜き取り言った。



「だ、だって…わたしに服なんて…」


「でた。そのマイナス思考どうにかしたら?」



ペラペラとわたしのスケッチブックをめくって絵を見る。



「それは……無理だよ」



わたしには色がないもの。
胸を張って、自慢できるものなんてないもん。


わたしは、わたしは…いつだって空っぽだ。



「だから、無理だって思ってるから無理なんだって」



「でも…っ!」



「お前には将来の夢とかないの?」



「え?」



将来の、夢……?


要くんの口から出た言葉に思わず困惑してしまう。