「服とかに興味あるとかお前もちゃんと女の子なんだな」



そう、わたしが描いていた絵は動物とか植物、景色とかではなくて、洋服の絵だった。


わたしが密かに興味があったのはファッション


こんな身なりで似合わないとは分かっているけど、ファッション雑誌を読んだりして日々研究をしている。


可愛い服を見ればテンションも上がるし、着てみたい服だってたくさんある。


でも、こんなことみんなに知られたら『きもい』『お前には似合わない』とか悪口を言われるだけ。


だから、秘密にしていたのに……。



「それ、失礼だから…!」



自分がデザインした洋服を誰かが着て、喜んでくれたらな……なんてたまに思うけど


それはただの理想にすぎなくて現実は甘くない。

才能のないわたしには難しい話。



「上手いじゃん、この絵。

そうだ、メンズも描いてよ。
俺、純恋がデザインした服いつか着たい」



え……?


どうして軽蔑しないの?
気持ち悪いとか言わないの?


それどころかわたしのデザインした服を着たいって言ってくれるの?



頭に浮かんでくるのは疑問ばかり。