【完】幸せは透明度100%





一通りできるゲームをめいいっぱい楽しんだわたしたち。


コインゲームや太鼓を叩くゲーム。
ホッケーで争ったり、どのくらいパンチの威力があるのか測ったり……。



本当に楽しい時間でゲームセンターから出ると、いつの間にか外が薄暗くなっていた。


ぽつぽつ、とつき始めた街頭にわたしの少し前を歩く要くんのスラッとした背丈の後ろ姿が照らされる。



光に照らされてはちみつ色の髪の毛も少し輝きを増しているようにも思える。



「き、今日はありがとう」



ずっと、言いたかった言葉。

普段はあまり人と話すこともしないからこんなことを言うのは久しぶり。


言いたいことを全部飲み込んで生きてきた。


きっと、いつまでもそれは変わらないと思ってた。


でも、要くんに出会えたおかげでそんな気も少し薄らいだ気がするよ。



「次はいつ遊べる?」



進む足を止め、わたしの方を振り向いた。


彼の表情はとても柔らかく優しくて心が穏やかになれる。


街灯の明かりで耳のピアスがキラリと光る。
そんな姿さえ、カッコイイと思えてしまうのは要くんだからなのかな?