「ハハッ…!もう俺無理…!!」
まだツボっている要くんはいきなりわたしの肩に顔を埋めてきたから心臓が飛び跳ねた。
首に彼のサラサラなはちみつ色の髪の毛があたってくすぐったい。
「か、要くん…くすぐったい」
「ごめんごめん。
ほんとはもうツボから抜け出してたけど、どうしてもこうやって純恋と撮りたくて」
また、そうやってわたしの心臓に悪いことをサラッと言うでしょ?
その度にわたしがどれだけドキドキしてるかなんて知らないくせに。
「要くんといると楽しいし、なんかドキドキするね」
男の子といるときってみんなはこんな感じなのかな?
胸がドキドキして、悲しい顔してると不思議と要くんのことを知りたくなるんだ。
もっと、もっと君のことについて
たくさん知りたい──…そう思うんだ。
「……それ、他の男に言わないでね?」
いきなり、真剣な表情でわたしに問いかけてくる彼に少し戸惑った。



