「か、要くん…!?」
「ほら、変な顔して写っちゃうよ?」
「ええ!?」
その言葉にせっかくの要くんとの記念写真を無駄にしてはいけないと瞬時に思い、カメラを見つめて少しだけ笑ってみた。
『3、2、1───…カシャ!』
まだ、一枚目を撮り終わっただけなのに密着しているこの至近距離のせいで心臓が無駄にうるさい。
ドキドキを悟られたくなくて彼から離れたい一心で一枚目の写真を画面に近寄りみる。
意外とまともに写って…
「え!?要くん!わたしこんなに目おっきくないよ!」
思わず、画面に触り撮ったばかりの写真をまじまじと見つめる。
やっぱり…わたしの目こんなにでかくない。
これ…壊れてるのかな?
「プハハハ…っ!これ、そういうやつだから。
勝手に美化されんの…ハハッ、純恋最高すぎる…!!」
そ、そんな機能までこの機械にはついてるのか……。
最近の記念写真の機械はすごいな。
謎にツボり始めた要くんには少しビックリしたけど、気にしている暇もなくすぐに二枚目の撮影が始まった。



