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「さて、何からするかな」
わたしたちは無事に街中にある若者の集まるゲームセンターに辿り着いた。
ゲームセンターはわたしが想像していたところよりもはるかにうるさくて、耳の鼓膜が破れるかと思った。
確かにこんなところにうちの親がわたしをつれてこようなんてしないだろうなぁ…と納得していた。
でも、わたしの気持ちは珍しく弾んでいた。
子供のころに興味はあったし、来てみると機械がいっぱい並んであってみんな楽しそうに笑ってそれをプレイしている。
それに、初めはうるさかった機械音もしばらく滞在していると慣れてしまって何も思わなくなった。
「す、すごいところだね…!!」
少々興奮気味のわたしを見て柔らかく笑った彼。
「楽しそうでよかった。嫌だとか帰ろとか言われたらどうしようって柄にもなく思ってたからさ」
……なんでそんな事言うの?
要くんのせいで心臓がバクバクいってうるさいよ。
「じゃあ、まずは記念写真撮ろうぜ」
何も言えないでいると、わたしの手を引いて歩き出した。
「あ、あの…スマホならここに!」
自分のブレザーのポケットから取り出したスマホを彼に見せると、彼は人差し指を鼻の前に立てて、左右に振った。
「ノーノーノー、純恋さん。
俺の言ってるのはもっと記念に残るものだから」
「そんなのあるの?」
写真ってスマホとかカメラで撮るもんじゃないの?
「それがね、あるんだよ。とにかく俺についてきて」
言われるままに彼についていく。
そして、辿りついたのは女の子が可愛くポージングしていてそれが機械になっているブース。



