【純恋side】




もうすぐ授業が始まるというのに屋上で青く透き通るこの空を見上げて羨ましく思っては今、自分が立っている現状に絶望する。
そんなことを繰り返してもう何回目なのだろう。


空はどこまでも続いていて、この世界を覆っているのにどうしてわたしの世界はこんなに真っ白で何も無いんなんだろう。


雲みたいに目立つわけでもなく、真っ白な画用紙に白色の絵の具で絵を描いているような、そんな色のない世界に一人で突っ立っている。


手を伸ばせば、届きそうなほど空とわたしの距離は近く感じるのにどんなに伸ばしても、背伸びをしても、結局触れることもできずに届かない。




子供の頃に一度思ったことがある。


雲の上に乗ってみたい。

雲を食べてみたい。


誰もが一度は思ったことがあるでしょ?
大人に近づく度にそんなことは心から消えていくんだ。


小さい頃は楽しかった。
わたしの世界もまだいろんな色で色づいてた。


いつからだろう。

わたしがこんなふうになってしまったのは。