【完】幸せは透明度100%






「はぁー…そういうことじゃなくて。

いい加減、下の名前で呼んでほしいんだけど」




お願いされてビックリしてしまい、ポカーンと口を開けそうになるのを繋いでいない方の手で抑える。




「くん付けでもいいから」



「そ、それはわたしじゃなくても…!!」




須藤くんにはわたし以外にもたくさんの女の子の友達がいて、


わざわざ陰キャラなわたしが須藤くんを下の名前で呼ばなくてもいいんじゃないかな…って思うんだけど。




「やだ。俺は純恋に呼んでほしいんだもん」




プゥー、と頬を膨らませて拗ねたような表情で見られると…わたしは何も言えなくなる。



はぁ…わたし、須藤くんのこの顔に弱い。



「…くん」



恥ずかしくて本当に小さな声で呼ぶ。



「え?なんて?もっかい言って」



うぅ…!なんで聞こえてないのよ…!!
ちゃんと、耳すませて聞いててよ!!と心の中で嘆く。