「……っ」
困惑した瞳で動揺している彼に一歩近づいてふぅ、と短く深呼吸をする。
気を張っていないと零れてしまいそうな涙を堪え、ずっと伝えたかった想いを一つ一つ紡いで言葉に変えていく。
「だから…」
「わたしと結婚してください…っ!」
右手を要くんの前に差し出して頭を下げているから視界は草むらを映していて、肝心の要くんの表情は見えない。
ほんとは『好きです。付き合ってください』そういうつもりだった。
だけど、思ったんだ。
わたしたちには時間が限られている。
いつ何があるかわからない。
だから、後悔しないように……この言葉を選んだ。