「俺といたらお前は
本来なら掴めるはずの幸せを無くしちまう」
ねえ、君は何も分かってないよ……。
そんな優しさはいらないんだ……
わたしはこの街を優しい光でそっと照らす大きな月の方へ向き、精一杯空気を吸って、言葉にして叫んだ。
「神様…!
どうかわたしの幸せを奪ってください…っ!」
はぁはぁ、と息が少し切れてしまうほど大きな声で叫んだ。
君から教えてもらった幸せは、とても大切なことだってことはちゃんと分かってる。
この手や足が動くこと
ごくごく普通の生活を送れていること
それは当たり前のことなんかじゃなくて
全て奇跡で、それが一番の幸せだということを。
でもね、もう一つ。
わたしは君に“本当の幸せ”の意味を教えてもらったから。
それは……君、要くんとがいること。
だから、どんなに幸せでも
それはわたしにとって本当の幸せじゃない。



