「要くん……?」
彼に近づき、小さな声でぽつりと名前を呟くと彼の耳がピクッと微かに動いた。
「……越智純恋です。久しぶりだね」
「……なんで…お前がここに……」
名前を名乗ると彼の整った綺麗な顔がわたしの方を向き、彼の純粋で昔と変わらない綺麗な瞳とやっと視線が合う。
「…わたし、デザイナーになった」
質問の答えになっていないのは分かってる。
でも、とにかく君に一番にこの言葉が伝えたくて。
「……そ。おめでとう」
彼はそう言うとわたしから逃げるように目を逸らした。
一方でわたしの瞳には涙が溜まっていて今にもこぼれ落ちそうなのを必死に我慢する。
「要くん…「俺、お前と付き合う気とかないから」
真っ直ぐ夜空の方へと視線を向ける彼。
でも、その瞳はもっと遠くを見ているようにも思える。
その言葉はズシン…と重い石を置かれたようなそんな気持ちにさせた。
分かってた…君がわたしをもう好きじゃないことも。
もう時間は戻らなくて、
わたしだけが君を想っていることも。



