【完】幸せは透明度100%








バスに揺られること一時間。
わたしは彼が住んでいる街に足を踏み入れた。


ここに……要くんが。
会える喜びと忘れられてないかな?という気持ちが入り交じり、少しだけ緊張してしまう。


都会とは違い、緑が多くて空気が綺麗なところだった。
でもそこで、この街の住民の方に要くんのことを聞いたらついさっき出かけてしまった、と聞いた。


しばらく待っても帰ってこなくて明日も仕事があるから帰るしか選択肢がなくてしぶしぶまたバスに乗ってわたしが住む街に帰ることにした。


わたしが住む街についた頃にはもう外は真っ暗で満天の星が空を飾っていた。
まるで……そうあの二人で夢を語り合った日のように。


久しぶりにあの丘に行こうかな…。
辛いことや嫌のことがあった日はよくあの丘に行っていた。


あの丘に行くだけで自分が悩んでいることがちっぽけに思えて、不思議と元気をもらえたんだ。


でも、最近は仕事が忙しくて行けてなかった。
あのスミレの花はまだ凛と一輪だけ咲いているんだ。


もちろん、あのときのスミレの花ではないけれど。
あのスミレの強さを受け継いでいる、生まれ変わりのスミレの花だ。


丘にたどり着くと、一人の男性が丘の草むらに座り上を向いて星を眺めているのがぼんやりと見えた。


もしかして……要くん?
髪色はだいぶ落ち着いているけど、あれはどこからどう見ても要くんだ。


ずっと、ずっと会いたかっくて毎日空を見上げては君を想っていた。
だから、見間違えるはずがない……